『BENTO』というのは、日本独特の食文化らしいですね。長距離移動のお供『EKI-BEN』システムや、カラフルでデザイン性の高い『BENTO-BAKO』など、海外からのビジターに、「たのしい!」「かわいらしい!」と、人気なんだとか。かの高名な、ジョエル・ロブション氏も、『BENTO』に特化した、ヴィジュアル系レシピブックを刊行していらっしゃいますから、たしかに、たしかに。
日本人だって、そうでしょう?あの、お弁当箱の蓋を開ける瞬間の、想像と期待感。「なにが、どんなふうに、詰めてあるのかな……」。日常ですら、そう。ましてや、それが「行楽弁当」しかも「手づくり」なんて場合には。「あした、おべんと持って、お出かけなんだっ!」。それ自体が、ワクワクとイベント気分を、なにやら盛り上げます。
だがしかし。それは、お弁当をつくってもらう側の論理。作る側は、悩むのです。「おいしそう!って、驚いてもらえる、なに?」。そのハードル、う、うん。
お弁当で、あたらしい「おいしい」を提案したら。
お弁当のコンセプトは、「冷めてもおいしい」だと考えます。
今回ご紹介のレシピは、パインの酸味で、さっぱりと食べれる、揚げ物。東南アジアや南米では、果物を塩やスパイスで食べたり、その風味を調味料として活かす料理があるので、それをアレンジ。きっとお弁当箱の蓋を開けた瞬間、「コレ、なに?」「どうやって作るの?」と注目を引くこと、間違いなし。
でも、大事なのは、この教訓かもしれない。あるとき、男女、複数でスポーツ観戦に行くことに。「わたしたち、お弁当、作って持ってくね!」。女子それぞれ「自作」お弁当を持ち寄った結果。Aちゃん「太巻き」Bちゃん「おにぎり」Cちゃん「いなりずし」。前日からママと相談して作った、と。食べやすい「フィンガーフード」、考えたねぇ。でもぜんぶ、「コメ系かぶり」、で『おかずなし』。
……やさしい男子たちは、頑張って、全部平らげたそう。ゆめゆめ、事前ネゴシエーション、怠らぬように。みんなっ、頑張れっ。
パイナップル缶
1缶(固形量140g、内容総量234g)
※缶汁を切り、
粗みじん切り鶏唐揚げ(市販品)
4~5個
※ベーコン、ハム、焼き豚などで代用可
※粗みじん切り春巻きの皮
適宜
※撮影時は、小さめサイズ10枚程度を使用葉野菜
適宜
※撮影時は錦糸卵も使用ごはん(温かいもの)
200g(1合強程度)卵(溶きほぐしたもの)
1個マヨネーズ
大さじ1白ごま
大さじ1こしょう
適宜醤油
小さじ1一味唐辛子
小さじ1/2
※辛みは好みで調整可
-
をボウルに入れ、混ぜる。
-
パイン缶と混ぜ、温まるまでレンジ加熱する。鶏唐揚げ、とともに混ぜる。
-
とを混ぜ合わせ、のり(小麦粉と水を同量混ぜ合わせたもの:分量外)を2辺に塗った、春巻きの皮で包む。鍋に揚げ油(分量外)を熱し、色よく揚げる。カットして盛りつけ、葉野菜などを添える。
片手でぱくっ。つまみやすい、ごはんのフィンガーフードです。パイナップルで甘みを、マヨネーズでコクをプラス。冷めてもおいしい、「南国チャーハン」風、ちょっとエスニックな味。そのまま食べれる具材を使うので、火通りを気にしなくていいのも◎。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
?
?
?