おいしそうな、缶詰料理、教えてもらいました。先日読んだ、小説のなかで。
そのシーンの設定は、in「長野」。『根まがり竹』という、早春にとれる、山菜を味わうお話。地元のおばちゃんが、言うんです。「いま、しか食べれないのよ、『根まがり竹』は」。味噌汁にするのが、地場の、季節の、味わい方らしいのです。
そのお話では、『根まがり竹』が採れる、山の近くにある売店には、『缶詰』と、味噌が、売っています。わかりやすく、「こう調理したら、おいしいよ」と。「ここですぐ、味噌汁にするが、よっし!」。その『缶詰』は、お魚の水煮缶。鯖だったり、鮭だったり(※)。具+缶汁だしとして、お魚缶詰を使ってきた、文化が、ある地域なのです。
お魚水煮缶詰の缶汁には、だし成分の「イノシン酸」が多い、との報告も。海のない、長野県。お魚を食べる機会は、海沿いの地域より、少なかったかも、しれません。なるほど、缶詰のお魚は、お役立ち&ウマな、食材だったのかな。
※小説の設定では、山の所有者に確認を取らないで、『根まがり竹』摘みに行く方が、多いようで。なのに、近くの売店で、その旨さをすぐに味わうべく、とれたて→調理の必須アイテムが、確実に販売されているという。ある意味、ブラックニヤニヤを含んだ叙述なのです。
日本の食材店なら、絶対売っているモノ。
「水煮缶」、料理アレンジわからないわ……というお声、あるようです。しかし。いま、最も一般的な、鮭・水煮缶の出自には、こんなストーリーがある、というのです。
もともと流通が開始されたのは、(水煮・塩味)の鮭缶。「シンプル、いちばん」。でも、その後、「開けて、すぐ、“おかず”になるように」と、醤油味とか、いろいろな味付け鮭缶が、メーカーで研究され、発売された時期もあったよう。でも、改めて。「ご家庭で使いやすいのは、どっち?」の声をリサーチしてみると。「自分でアレンジできる、シンプルな味が……うれしいわ」との、ご意見が、多かったとか。
かくして。現在、(水煮・塩味)鮭缶は、スーパーの缶詰エリアの定番に。でも、ネエサン。そして、そこのニイサン。鮭缶が言うのです。お料理に、使いやすくて、便利。けど、お醤油、かけてくれるだけでも、おいしいの。「ワタシ、あなた色に、染まります」。春ですねぇ……。「開ければ、恋色♡ピンクなの」。
からふとます缶
1缶(内容総量90g)ごはん
茶碗1杯(180~200g)バター
大さじ1~2味噌
適宜七味唐辛子
適宜ねぎ(斜め切り)
15cm油揚げ(薄切り)
1/2枚しょうが(せん切り)
1/2片
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温めたごはんをポリ袋に入れ、もみつぶす。
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鍋にからふとます缶とを入れる。全体の量が600㏄になるよう、水(分量外)を加え、火にかける。温まったら、味噌で調味する。
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手水をつけながら、をピンポン玉程度に丸め、に加え、味がなじむまで煮る。盛りつけ、七味唐辛子・バターをトッピングする。
つぶしたごはん(いわゆる「はんごろし」)を、ちくわのような形で焼いた、鍋の具材。郷土料理「きりたんぽ」で、ご存知かと。地元・秋田では、ちくわ形態でなく、丸めただけを「だまこ」、と呼んで、そのおいしさが、手軽に楽しいらしいです。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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