「わぁー、〇〇みたいで、おいしい!」“食レポ”で、よく耳にする、表現です。ですが。あまりに定番、みんなが知っている。だから、その味わいを、どう伝えたらいいのか、逆に、わからない。そんな、食べ物って、ありますよね。ちなみに、長年思っていることですが。『コーラ』の味を、『コーラを飲んだことがない人』に、コトバで的確に伝えることができれば、なんらかの文学賞、もらえちゃうんじゃ、ないかしら。妄想、休題。
……「ツナ缶」も、そういう仲間なんじゃないか、と。だって、いちいち言わなくても、「ツナ」と聞けば、「ああ、ツナ“缶”ね」って、イメージが直結するくらい、定番の、缶詰食材。
「トマト」と言われても、「サバ味噌煮」と言われても、(どちらも、缶詰コーナーに必ず並んでいるのに)、「ああ、缶詰ね」とは、瞬間的に直結しません。ですから、「ツナ」イコール『缶詰』という感覚、どれだけ日々の暮らしに、この缶詰が溶け込んでいるのか、と。
使いやすいというより、「ツナだいすき!」。
スーパーの缶詰の棚を観察していただければ、より、この考察に、賛同していただけると思います。刮目せよ!!「ツナ缶」の種類の豊富さを!オイル漬けでも、オリーブオイルあり、唐辛子入り、レモン風味、などなど。
健康志向の、ノンオイルでは、減塩、無塩、野菜スープ煮。よく見れば、キムチ味とか、ゆず胡椒風味、なんて、変わり種も、いろいろあるじゃない。そのまま食べても(実は、偏愛者、多し)、料理に使っても(マヨネーズとのコラボに、偏愛者、多し)。でも「使い勝手のいい缶詰」だからじゃない。選ぶのに迷うほどの、ラインナップがそろってるの、みんな、大好きだからでしょ。
あまりに定番、あまりにあたりまえ。「よっ、ご存知のっ!」あなたは、缶詰界の横綱なのかもしれないな。だから、ごめん、あなたの「おいしさ」、コトバで表現しきれません。
でも、きっと、大丈夫、大丈夫。声を大にして、言わなくったって。もう、みんな、知っているから。でしょ?
ツナ缶
1缶(内容総量140g)パスタ(1.6㎜)
200gレモン(半月スライス)
1/2個塩・オリーブオイル
適宜柚子胡椒
適宜にんにく(みじん切り)
1片タカノツメ
1本ピーマン(細切り)
1個ニラ(ざく切り)
1/2束
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パスタを袋の表示通りにゆでる。
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フライパンにとツナ缶を入れ、香りが立つまで炒める。レモンを絞り入れ、そのままレモンとを加え、ざっと混ぜる。
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にを加え混ぜ、塩で調味し、盛りつける。オリーブオイルを振り、好みで柚子胡椒を添える。
柑橘類の酸味で、すっきりと味わう、オリーブオイルベースの、魚介系パスタ。いつものスーパー「で」、手軽に買える食材「で」、かんたん調理「で」。で・で・で。で、すぐに作れる、メニューです。香りが気になるなら、ニラを抜いても。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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