呑みの席で、必ずたのんでしまうもの。『鯖』。箸を入れれば、キツネ色によく焼けた皮が「パリッ」な、『サバ塩』。中心部分がミディアムレアなピンク色、脂ののった、『締めサバ』もいいなぁ。
「今朝とれとれの、鮮度いいの、入ったから、刺身もできるけど」なんて、いわれたりして。昼ご飯のときだって、迷う迷う。『焼ジャケ定食』にするか、『サバみそ定食』にするか……どうするどうする「いつも、それが、問題だ」。そう、こんな感じで、「日本」の日常の食生活に、どーんと存在感を示す「>゜)))彡サカナ」。それが『鯖』。
昨今は、「青魚」としての『健康成分』が、大きく注目されています。嫌いな人、あんまりいないんじゃないでしょうか?……あっ、ひとり、知っています。「えー、なんで、『鯖』、苦手なの?」と、問えば。「だって、『鯖』って、“さばさば”してるでょ?」。見た目が、食感が、味が、でなく、「鯖は、鯖っぽいから、苦手」だと。ならもう、もうしょうがない(笑)。
そろそろ、インスタ映えだって、夢じゃない。
世界的にみても、漁獲量は、日本がNo.1(2015年調べ)。もちろん、活躍の場は、日本だけではなく。例えば、私蔵の「フランスの女子高生が使う、お料理の教科書」といわれるレシピブックを、見てみると。魚料理の中に、『MAQUEREAUX MARINÉS(サバのマリネ)』という、日持ちのする、おしゃれデリ系なメニューが紹介されています。
また、北欧や南半球でも、燻製や干物など、『鯖』はそれぞれの食文化に、浸透している模様。
しかし、世界共通で、『鯖』の「足の速さ」への対策は考えられているようで。となれば、じゃーん、我らが「缶詰」の登場です。日本では古より「水煮」「味付(味噌煮、しょうゆ煮)」が王道ですが、海外では、オイルサーディンしかり、『鯖オイル漬』がメジャー。「パスタに!サラダに!サンドウィッチに!」と、和のイメージを超え、お料理の幅がビジュアルが、グンと広がって。……鯖はしみじみおいしい。滋味だけど、もう「地味」じゃないんです。
※参考 フランスの『サバのマリネ』(『修道院のレシピ』(朝日出版社)より)
ふたのある鍋(またはフライパン)に、三枚におろしたサバと、輪切り玉ねぎを、交互に重ねて入れる。ブーケガルニ(タイム、ローリエ、パセリ、クローブ)、薄切りレモンを入れる。水と酢を、1:1で混ぜたものを加え。塩コショウで味を調え、ふたをして火にかける。沸騰したら火からおろし、さめたら油をまわしかけ、数日おいて味をなじませる。
さばオリーブオイル漬缶
1缶(内容総量100g)ポン酢
大さじ1玉ねぎ(スライス)
1/4個りんご(細切り)
1/2個しょうが(千切り)
1片ヨーグルト(無糖)
大さじ3マヨネーズ
小さじ1オリーブオイル
小さじ1コンデンスミルク
小さじ1
※はちみつで代用OK塩・こしょう
適宜
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を混ぜ合わせ、缶汁をきったさばとともに、盛りつける。
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にポン酢をかける。
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を混ぜ合わせ、に添える。
※撮影時はクルトンを使用
火を使わない、前菜サラダです。オイル漬けの鯖は、身のうまみがしっかり凝縮しているので、軽い酸味のヨーグルトソースと、さわやかな香りの林檎を組み合わせました。ライ麦パンなどで、サンドイッチにしても。白ワインが欲しくなる味わいです。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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