子どものころから変わらず、いちばん好きな果物、それが、桃。毎年、桃の季節が楽しみでなりません。産毛がふわふわ生えている、薄い皮を、爪でつまんでむく。すぅーっと、気持ちよくむけたなら、それは、おいしさの、お約束。おもむろにかじりつけば、もちろん、「じゅわっ」×「あまっ」。うまうま♡「It’sゴージャス」。
でも、「生」桃の旬は、短いんだな。だから、季節外は、缶詰で、楽しみます。やっぱり♡うまうま。なんです、が。「白」より「黄」が、レア。
……そう感じていた記憶、ありません?
桃には、白いのと、黄色いのが、ありまして。というのを教えてくれたのは、給食メニューの『杏仁フルーツ』。シロップのなかに、平行四辺形の白いの、小房にむかれたミカン、扇形なパイン。でもって、もちろん白桃。そして、その「同族」より、歯ごたえのある、『黄いヤツ』!。こんなチャンスにしか、お目にかかれなかったのですよ!ねっ、『黄桃』さん!!
缶詰にぴったりなフルーツ、からの進化。
……もともとの『黄桃』は、「缶詰専門要員」だったらしい。果肉がしっかりしているし、でも、甘みが少ないため、加熱&シロップ漬けに適している、という見解、のようです。
対して、『白桃』は、果肉が柔らかいので、往時の製造技術では、缶詰にするのは、難しかった模様(果肉が崩れてしまう、などなど)。でも、製造技術の進化により、『白桃』の缶詰の、クオリティが高くなり。で、いまやこちらが、メジャーになっている感じ、しませんか?
……ところで。『黄桃』の起源は、白桃の樹にたまたま、生った、突然変異種のようです。その枝の部分を「接木」して、生った果実が、『黄桃』という名前で、栽培されるようになったといいます。
で、いま。生で食べて、味わいゴージャスな「黄色い桃」、生産・流通されてます。『白桃』と、かおり、舌触り、おいしさ、別物です。遜色ない、おいしさ。
——しかし。ノスタルジストなの、だな。こう言います。「黄桃は、缶詰に、限る」。なっ?
黄桃缶
1/2缶(内容総量420g)とりささみ
2枚オールスパイス(パウダー)
大さじ1バター
大さじ2塩・コショウ
適宜好みの野菜
適宜
※クッキングシートを使うと便利。
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クッキングシートで、ささみを包み、(肉たたき、または、手や空き瓶などで)、5mm程度の厚さに、均一に叩きのばす。オールスパイスを、両面にまぶす。
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フライパンに、1/2量のバターを熱し、の両面を焼く。油が足りない場合は、オリーブオイル(分量外)を足す。焼けたら、取り出す。
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のフライパンをざっと拭き、残りのバターを熱し、缶汁を切った黄桃を加え、焦げ目がつくまで、ソテーする。塩、コショウで調味する。とともに、盛り付ける。好みの野菜を添える。
スパイスをまぶした、鶏肉の色にびっくりしないでください。辛くないです。焼いたときの色にも、びっくりしないでください。焦げてないです。ただし。お肉の厚みが薄いので、焼きすぎに注意。ジューシィな黄桃が、よく合います。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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