アスパラガスの『葉っぱ』(※)、見たことありますか? 青々して、ふわふわで、繊細な趣。例えるなら、ハーブの『フェンネル』をイメージしてもらうと、近いかもしれません。
もともと、アスパラガス、江戸時代には輸入されていました。でも、現在の「新芽を食べる野菜」ではなく、別品種の「葉を愛でる観賞用の植物」として、珍しがられ、栽培されていたそう。いまも、ガーデニングや鉢植えで、人気の観葉植物です。
『野菜』として、本格的に栽培されはじめたのは、明治に入ってから。もちろん、ご想像にたがわず、in北海道。缶詰に加工されるようになり、大正時代までの『輸出品』という地位を経て。昭和になると、国内に出回る機会も増え、庶民の『ごちそう』になっていったようです。
いまと違って、「生鮮物」が離れた地域まで、流通させることが、不可能な時代。旬の短い「生鮮物」の「加工品」である缶詰は、見知らぬ産地からの『到来物』=『高級品』でした。
- ※厳密には、『葉』ではなく、『茎が変形した部分』とのこと。
シチュにあわせて、調理を選びたい。
千切りキャベツ→「さくさく」ヘルシー。蕪の浅漬け→「ぽりぽり」歯ごたえ重要。そして、アスパラベーコン炒めは?→「しゃくじゅわ」甘さと青い香り。食感も、味のうち。
料理が面白いのは、調理の方法・時間などが変わると、同じ食材なのに、味わう方の「気持ち」も、変わること。
例。あなたの『味の記憶』、照らし合わせてみてください。キャベツ→『甘辛ホイコーロー』がっつり、蕪→『揚げと蕪のお味噌汁』やさしい甘さ、そして。アスパラガス→『洋食屋さんの、コンビネーションサラダ』昭和メニューなのですが……レタス、トマト、きゅうり、ゆで卵。ポテサラが入っているときも。
で、欠かせないのが、『缶詰のホワイトアスパラ』。それに、とろっと赤い『フレンチドレッシング』。洋食屋さんのメニューで出会うと、つい、頼みたくなってしまう、アレです。
あのサラダには、絶対、それが、「缶詰アスパラガス」の食感、なのです。
アスパラ缶
1缶(内容総量120g)ラザニア
3枚
(※メーカーによって、ゆで時間やサイズが異なる場合があります。)シュレッドチーズ
大さじ4ベーコン(角切り)
1枚分トマトソース
大さじ4塩・こしょう
適宜オリーブオイル
適宜
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ラザニアを表示どおりにゆでる。耐熱皿にオリーブオイルを塗っておく。
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ベーコンを色づくまで炒める。
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缶汁を切ったアスパラ、チーズ、を、ラザニアで巻く。耐熱皿に入れ、トマトソース、オリーブオイルをかけ、オーブンまたはオーブントースターで、色づくまで焼く。好みで塩こしょうを振る。 ※焼く際に、焦げ目がつきすぎる場合は、アルミホイルをかける。
トマトソースを使いましたが、ホワイトソースを使えば濃厚に。焦がしバターとレモンのソースをあわせれば、爽やかな味わいが楽しめます。白ワインやスプマンテで「乾杯!」すれば、気分はバカンス?かもしれない。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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