小学校では、年に一回、夏に『キャンプ学習』なるものが、ありました。山間の宿泊施設に、2泊3日くらい。「親元から離れた環境で、児童の“自立心を養います”」的な、プログラム。
朝晩は、宿泊施設内の食堂で、作ってもらったご飯をいただきます。そして昼食は、『飯ごう炊さん』。屋外スペースの、作りつけの『かまど』に、“自分たちで”火をおこし、『飯ごう』を使ってご飯を炊く。適当な石を積み上げて、もうひとつ、かまどを『自作』して。そこで “自分たちで”作るおかずは……ご存知、『カレー』または『豚汁』の、二者択一。
先生方は、我々の『おかず』失敗のリスク回避として、「ひとり、3缶、おかず用缶詰を持ってくること。班内で分けて食べるように。」というルールを設定。先生、ご心配はありがたかった。
1班は5人×3缶=15缶。そのなか、ソーセージ缶+さば味噌煮缶が、半数近くを占めていて。……ポピュラーにしても、みんな、嗜好が、かぶりすぎでした。
お肉は、昔もいまも、ご馳走です。
今回ご紹介の『トッド・イン・ザ・ホール』という、歴史あるメニュー。イングランド発祥の『ヨークシャー・プディング』という料理の、アレンジ版といえます。
『ヨークシャー・プディング』は、小麦粉をベースに、牛乳や塩などを加え、型に流しいれてオーブンで焼いたもの(※1)。味は「塩味のシュークリームの皮」と、例えられます。
焼いたり煮込んだりした「お肉」の、おいしい肉汁を吸ってくれる「付けあわせ」。といいますか、「かさまし」的な意味合いも含む、家庭料理。
それをインスタントに、一品料理にしたてのが、『トッド・イン・ザ・ホール』。直訳すれば『穴の中のヒキガエル』。
プディングと出来合いのソーセージを、一緒にオーブンで焼いてしまいます(※2)。プディングに埋もれているソーセージを、かえるに例えた、庶民的なネーミングがかわいい。
お肉は、ご馳走。下ごしらえいらずで、気軽に使える素材、ソーセージが、缶詰になったのも、当たり前なのかも。
- ※1 材料、レシピには、さまざまなバリエーションがあります。
- ※2 ソーセージだけ先に焼き、後からブディングの生地を入れて焼くレシピもあります。
ソーセージ缶
1缶(内容総量105g)バター
適宜塩・コショウ・マスタード
適宜ホットケーキミックス
1袋卵
1個牛乳
適宜サラダオイル
大さじ1
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オーブンを180℃に予熱しておく。耐熱容器にバターを塗っておく。
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ボウルに、ソーセージ缶の缶汁を加え、混ぜる。
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の耐熱容器にを流し入れ、ソーセージを入れる。オーブンで火が通り、色よく焼けたら、塩、コショウを振り、マスタードを添える。
『穴の中のヒキガエル』という名前の、イギリスの伝統的なお料理は、食べ応えのある、お手軽キッシュ風。
ソーセージ缶、「開けて、そのまま食べるのって……」と、一抹の「ナニカ」を感じる方に、オススメ☆レシピです。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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