いわゆる、『ホタテ貝』、英語では『ジャパニーズ・スカラップ』と呼ばれています。世界で獲られているホタテ貝には、いろいろ種類があり、日本のホタテ貝は、そのひとつ。そう、「世界で」食べられているんです。
- 和食:お寿司、天婦羅、茶碗蒸し
- 洋食:グラタン、スープ、フライ
- 中華:もちろん、生の食材としても使いますけれど。
お家芸、得意なのは、乾物としての使い方。「干し貝柱」、水で戻してだしをとる。調味料『XO醤』にも欠かせない食材です。
いやいや、「世界で親しまれている」実例、もっと、わかりやすいビジュアル、ありますよねっ!誰もが、一度ならず、眼にしているはず……イタリアは、ボッティチェルリの絵画『ヴィーナスの誕生』。海の泡から生まれたという、美の女神、ヴィーナスの、誕生シーン。絵の中で彼女が乗るのは、「ホタテ貝の殻」。
なんでも、「豊穣」とか、「再生」というイメージがあったんだとか。現在も、たまに見つかるそうですが、ホタテ貝の中に、天然の真珠が見つかることがあるようで。養殖真珠と違って、形が整っていないそうですが。もしかしたら、昔の人もそんな「真珠入り」ホタテ貝を見つけて、ヴィーナスと、組み合わせたのかも。うん、ロマンティック。
+アルファで、もっと自分好みに!
「魚介類の缶詰は、ちょっと、生臭く感じてしまう……」という意見をお持ちの方も、いらっしゃると聞きます。そんなときは、「オイル漬け」の缶詰、試してみて。
例えば、身近なツナ缶。ローカロリー派の方は、ノンオイルを選ばれるかと思いますが、いちばんポピュラーな「オイル漬け」のツナ缶とでは、食べてはもちろん、缶を開けたときの香りからして、「違う」と感じるはず。それは、油の「マスキング効果」と呼ばれる効果。
オイルで、食材をコーティングすることで、味わいや香りを、まろやかに感じさせてくれるんです。特に貝類の缶詰、ホタテやカキなどは、スモークフレーバーをつけてから、オイル漬けにしたものもあり、より、磯の香りを押さえたタイプもあります。ただ、どうしても、「1缶は、ちょっと多いかなぁ」と、のっぺりした味わいに、思うことも。そんなときは、かんきつ類果汁をかけたり、香味野菜やスパイスなどの薬味をプラスして、「味のハイライト」をつけてみるのも、食卓のアイディアのひとつ。
もちろん、そのままでおいしい缶詰。アレンジをいろいろ試したら、ちょっと楽しい発見があるかも、なのです。
ホタテオイル漬け缶
1缶(内容総量105g)さつまいも
小1本
(ダイスに切って、水にさらしたもの)米
2合
(研いでざるに上げ、1時間ほど水切りをしたもの)油揚げ(みじん切り)
1枚しょうが(みじん切り)
1片醤油・日本酒
各大さじ1青ねぎ
適宜
-
と洗った米を炊飯器に入れ、ホタテオイル漬け缶を加え、規定どおりの水(分量外)を加え、炊飯する。
-
青ねぎを千切りにし、水にはなす。ぱりっとしたら、水気を切っておく。
-
が炊き上がったら、好みで缶汁を加え、混ぜる。盛りつけ、青ねぎを添える。
シーフード、おいしいけど……香りが、ちょっと、苦手かも。
このレシピなら、大丈夫。オイル入りだから、旨みが、全開。そして、冷めてもおいしいのです。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
?
?
?