インドの空港に、初めて降り立った日本育ちの方の、感想を聞いたことがあります。「空港から外に出る、自動ドアが開いた瞬間、、、空気が、『カレー』の香りがしたんだよぅ」。瞬間、あぁ、いま自分は、事実インドにいるんだなぁ、とリアルに実感したとか。
同様の感覚を、日本を訪れた外国の方も、おっしゃっていました。いわく。「Naritaの自動ドアが開くと、『醤油』の香りがした」、と。
日本の食文化を代表する、調味料、醤油。そして味噌。また、世界からも注目される、ヘルシーフードといえば、豆腐。その加工品である、油揚げ、厚揚げ。一般的な、日本の家庭の食卓に、欠かせないものばかり。さらに、カフェでも人気の豆乳。ちょっとエッジーな、湯葉。そして、ニガテな人も多いよ、納豆。
もう、お気づきですよね?……ぜーんぶ、基本の原料は、豆(大豆)です。
この食卓、いまも昔も「豆♥」です。
はしり、旬。移ろう季節の味わいを愛でるのが、日本料理の特徴。獲れたて、まだ青い大豆を茹でて、塩味で甘さを引き立てて味わうのが、盛夏を告げる、『枝豆』の味わい。
でも、その時期は短い。ぜんぶ、すぐには、食べきれない。だから、熟れるまで育てた、栄養満点の大豆を乾燥、保存。それを、戻して、いろんな野菜といっしょに煮つけたりする、『五目豆』とか。……
大豆は、昔から、通年の食卓の名脇役にも徹してきました。しかーし。いまや、大豆関連食品は、各国の『ベジタリアン』の方々に、食材の主役として、大人気です。例えば。バンズに、お肉じゃなく、カリッと焼いた『がんもどき』をサンドした、『Gannmodoki Barger』とかね!もともと海外発信だけど、でも、日本のおしゃれなカフェにもあったり?
もとをただせば、コレって、『精進料理』がコンセプト。今回ご紹介のレシピ、これも、『精進』。もちろん、合うのは、白いごはん♥。むろん、ビールにも抜群。あ、でも、「アテ」のときは、『ビール』じゃなくて、、『般若湯』って、呼んでね?『精進』気分、出ますよ?
大豆水煮缶(ドライパック)
1缶(内容総量120g)片栗粉
大さじ1油揚げ・厚揚げ(各短冊切り)
1/2枚万能ねぎ・粉山椒
適宜長ネギ(斜め薄切り)
15㎝しょうが・にんにく(各みじん切り)
各1片分紹興酒
小さじ2醤油
大さじ1甜麺醤・豆板醤・ごま油
各小さじ2砂糖
小さじ1/2
※辛い味わいが苦手な方は、豆板醤を減らしてください。
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大豆を包丁の腹で軽くつぶし、片栗粉をまぶす。
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をボウルに入れ、と、油揚げ、厚揚げを加え、さっくりと混ぜる。
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を平皿に平たく盛り、湯気の上がった蒸し器で、10分程度蒸す。出来上がったら、万能ねぎ、粉山椒をトッピングする。
※蒸し器がない方は。深めの蓋のできる鍋に湯を沸かし、ざるを湯につかないように入れ、その上に食材を盛った皿を入れれば、簡単にできます。取り出すときに、やけどにご注意。
植物性たんぱく質だけでも、お腹も舌も、充分満足な一品。大豆を軽くつぶすことで、調味料とのなじみがよくなります。でも、つぶしすぎないで。3形態の大豆の、食感の違いを味わうのも、美味しさのうちなのです。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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