もぬもぬとした、食感。そのまま食べると、そんな印象でした。「沖縄でたべたこと、ある!」という方が多いかもしれません。
缶入りのランチョンミート、「スパム」。お肉で作った、かまぼこ、というような歯ごたえ。さまざまな国で、ランチョンミート缶は作られています。が、いちばん目にする機会が多いのは、アメリカ生まれの「スパム」かもしれません。
特に、沖縄では、缶入りのランチョンミートは、単純に「ポーク」と呼びます(※)。戦後、広く普及した食材ですが、チャンプルー(炒めもの)、おにぎりなど、郷土の味わいに、いまはすっかり溶け込んだ様子。沖縄には、ランチョンミート缶などの製造工場もあり、まさに「地元に密着」。
……缶に詰められ運ばれてきた、未知の食べ物によって、新しい食文化が生まれていった……かなり、興味深いお話です。
※現在、沖縄県民の定番は、ヨーロッパのランチョンミート缶である、という話もあります。
世界中で、役立っています。
「世界で最高の発明品は?」という質問がありました。それに答えて、「カップラーメン」とある人が。その理由は、安くて、お腹いっぱいになれるから。「コイツがいなかったら、自分は、自分は……どんな悪事に手を染めていたことか!!(ブラックジョーク風に)」。という記事がありました。(ニヤニヤ)。
ランチョンミート缶も、どちらかというと、安くて、お腹いっぱいになる、というイメージのようで。海外には、若かりしころの暮らしをつづった、その名もずばり「スパム」という曲を作った、ミュージシャンがいたり。また、韓国には、チゲスープの中に、ランチョンミート、野菜類、インスタントラーメンを入れて煮込んだ「プデチゲ」という鍋があります。こちらも、アメリカからやってきた缶詰を、自国の食文化に取り入れました、という例。
「安」+「ボリューミィ」ということで、学生街で人気と聞きます。世界中の青春に、ランチョンミート缶は、役立っているようです。
スパム缶
1/3缶※1缶340gの缶詰を使用
(2㎝角に切る)レッドキドニー缶
1缶※(120g)ドライパックのものバター
大さじ1塩・こしょう
適宜パン
適宜レタス・マヨネーズ
適宜砂糖
大さじ3日本酒
大さじ3
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フライパンにバターを熱し、スパムを加え、表面がカリッとするまで焼く。
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にレッドキドニーを加えて混ぜ、水分が飛んだら、を加える。
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を混ぜながら炒め、水分がなくなり、砂糖が焦げてカラメル状になったら火を止める。パン、レタス、マヨネーズを添え、好みで塩、こしょうを振る。
しょっぱい+甘い。スパムは、カリッと表面を焼いて、甘いバンズに挟むとおいしいので、こんなレシピを考えてみました。
ちょっと、想像できない味かもしれませんが、焦がしているので、香ばしさ◎。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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