最近の缶詰は、イージーオープンの缶詰が多くなっています。つまり、「缶切り」がなくても、簡単に開けられる缶詰が増えています。(缶切りを使ったことのない人も、増えていると聞きます。イージーオープンではない缶詰に関して、缶詰メーカーの「お客様相談ダイヤル」には、あの、輪っかがないから、開けられない。「この缶詰、不良品ではないのか!」という、クレームのお電話もあるとか。)
……もともと、缶詰は、「常温・長期保存」を実現するために生まれた技術。実は、缶詰という食品のパッケージ技術が実用化されてから、それを開けるための専用の道具、「缶切り」が開発されるまで、結構、待たなければなりませんでした。それは、なんと、76年程!
それまでは、缶詰の「取説」に、「この缶は、斧とのみで、開けてください」と表記されていたといいます。
独特な形態、それは、歴史の証。
そして、「コンビーフ」。このような、ほぐし肉の缶詰は、古くから製造されていたと言われます。
現代のコンビーフ缶についている、缶を開けるための道具。「巻き取り鍵」と言います。コンビーフが製造され始めたころ、缶切りはまだ、一般家庭に普及していませんでした。
「どんな人にも、簡単に安全に開けられるように」と、開発された方法と聞きます。あのオーソドックスな、台形の缶の形状にも、意味がありました。昔は、手詰めで缶に肉を詰めていましたが、そのとき隙間があくと、その部分が変色してしまう。それを防ぐための、みっしりと「詰めやすいカタチ」、それが台形の「枕缶」。面積の大きい缶の底側のほうからだと、隙間なく詰めやすいことから、採用されたといいます。
最近では製造技術も進み、丸型のイージーオープン缶や、力の弱い人にも開けやすい、プラスチック容器に入ったコンビーフも、店頭に並ぶようになりました。
コンビーフ缶
1缶(参考:75g)長ネギ(みじん切り)
大さじ2しょうが(みじん切り)
大さじ1味噌
小さじ1~2
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コンビーフ缶を、冷蔵庫で冷やしておく。 冷えたら缶から取り出す。
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をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
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を5mm厚程度に切る。盛りつけ、を添える。
この脂のサシの入り方、なにかに似ている……「牛タン!」と、思いついたレシピ。コンビーフを、しっかり冷やすことが、唯一のポイント。口の中で脂が溶けて、味噌と、より一体化します。コンビーフって、和食にもなります。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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