さくらんぼや、グリーンピース、銀杏など。一般的にスーパーなどで見かける、一番小さいサイズの缶詰のひとつに、「あさり缶」があります。
実は、前々から気には、なっていました。「コレに、何個分、詰まっているのかしらん?」では、さて、ココに御開帳。缶詰をぱかっと開け、中身をボウルに取り出します。それでは、あさりの身、数えていきましょう。いーち、にーい、さーん……まぁ、25くらいまでは、想定内。しかしながら。ごじゅう……50!えっと、あと4個だから……はぁ、こんなに小さいのに、この缶詰には、54個分、入っていましたねぇ。
それでは。この缶詰の、あさりの身と同じ重さ、殻つきあさりと、比べてしまいます。で、この写真。ご覧いただければ、もう、お分かりですよね?コンパクト&テイスティ。これが、あさり缶の、スゴイところ、なのです。
コハク酸です。エキスが旨いんです、缶汁が。
日本人も含め、人類は、古くから貝類の美味しさを知っていました。例えば、海外にもある石器時代の遺跡、「貝塚」。もちろん、当時で、採取しやすいのが、貝類だったというのもあるでしょう……。
でも、美味しくなかったら、貝殻で地層ができるまで、食べないと思うのです。アメリカの男性料理研究家の著書に、初めて、本式の貝のパスタ(いわゆる「ボンゴレ・ビアンコ」ですね)を、尊敬するシェフに教わり、作るシーンがあります。調理過程は、非常にオーソドックスなので割愛(にんにく、鷹の爪、殻つき貝、白ワイン、などなど)。調理後、試食。そして、彼は気づくのです!「ボンゴレって、貝の身を食べるのが、ちまちま面倒と思ってた。……違う!パスタに染ませた、『貝のエキス』を、食べる料理なんだ」。
もうお分かりですよね?エキス=缶汁、ですから。缶詰、汁気たっぷりです。
あさり水煮缶
1缶(参考:固形量45g、内容総量90g)豚肉(薄切り:バラや肩ロースなど、
160g ※お好みで
脂のある部位)
多くても。じゃがいも
2個キャベツ(ざくぎり)
1/4個白ワイン
大さじ1塩・こしょう
適宜パン
適宜オリーブオイル
大さじ1~2にんにく(つぶしたもの)
4片
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じゃがいもをレンジ加熱し、8分通り火を通しておく。(およそ6分~)
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ふた付きの厚手の鍋に を入れ、火にかける。香りが立ったら、キャベツと1/2に切ったを加える。
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の上に、豚肉を乗せる。軽く塩こしょうをして、ワインとあさり缶を缶汁ごと入れる。ふたをして、中火で肉に火が通るまで加熱する。(およそ5分~)盛りつけ、パンを添える。
和食ではあまり馴染みがありませんが、実は、豚肉とあさりは、好相性。お互いの旨みが重なって、より味わい深く。
そんな重層的な味わいを、手軽にプラスできるのは、缶汁もおいしい、缶詰ならでは、なのです。
缶詰料理研究家。2005年「缶詰マニアックス」(ロコモーションパブリッシング)著、2006年「冒険缶詰」(ワールドフォトプレス)監修。
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