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日本橋容器大学

第9回 健康を維持するための食生活−食事バランスガイドについて その3-

日本人の食生活に好ましくない多くの問題が生じています。これは基本的には日常の食生活が健全に営まれていないことが、大きな要因となっていることです。そこで、農林水産省、厚生労働省が中心となって食事バランスガイドが作成されました。その内容については前回すでにお伝えしました。
この食事バランスガイドに沿って食事をとることが基本ですが、しかし、毎日の食事づくりに十分時間をかけることが出来ない現状があります。一方、市販加工食品には簡便に活用できて、しかも内容の優れた食品が各種扱われています。それらを上手に取り入れて、手早く、おいしく、栄養的にも豊な食事作りをすること。これも賢い生き方の一つです。

例えば缶詰の活用です。
缶詰は脱気、密封、殺菌という工程がとられて製造される食品で、常温で保存が出来ますから常に手元における保存食品です。素材性のある缶詰、一般に素材缶詰とよばれている製品はごく薄い塩味程度の調味しかなされていませんから、どのような味付けにも対応できます。
生鮮野菜と組み合わせて、サラダに用いてもよいし、他の調理素材と組み合わせて加熱料理に用いてもよく、非常に活用範囲の広い缶詰です。調味してある缶詰の場合には味付けに好みがありますが、それは野菜や味付けしてない材料と組み合わせて、味を緩和させるように用いればよいのです。
缶詰の製造工程で加熱殺菌しても栄養素の損失は少ないのであまり気にすることはありません。損失しやすいのはビタミンCですが、それは野菜や果物で補えばよいのです。

缶詰に限らず、加工食品を利用する場合には生鮮野菜と組み合わせることをお勧めします。味のバランスも良くなり、栄養的にも優れた内容になります。加工食品を用いる場合には爽やかな味には欠けることが多いので、その点は手元にある生鮮食品と組み合わせるようにします。

毎日の食生活はちょっとした工夫で、豊かなものに変える事ができます。賢明な食生活を営むことで、身体も心も健康で生き生きと毎日を快適に生活し、健康寿命を伸ばすこと、これが望ましいことです。
そのことにお役に立つ内容を考慮して、数回に亘り、情報を提供してきましたが、次回からは視点を変えて、お届けします。
9月からイギリスで生活することになりました。そこで、あちらの店頭での加工食品の扱われ方、消費者の購入行動、食生活の様子などを中心にお伝えしようと予定しております。

毎日の食生活はちょっとした工夫で、豊かなものに変える事ができます

 

文:女子栄養大学名誉教授 吉田企世子