知る・楽しむ Special

 

日本橋容器大学

第6回 賢く食べましょう。(その2)

日本人の平均寿命は女性が85.6歳、男性は78.6歳と更に伸びました(平成17年7月発表)。女性は世界1位、男性は2位です。このことは日本人として大変誇れるところでしょう。しかし、健康寿命すなわち健康で生き生きと生活できる寿命との差が大きいことが、わが国の特徴です。寝たきりの高齢者や生活習慣病など健康上の障害を持つ人が多いのです。健康で長生きしたいと誰もが望むところですが、そのためには日頃の食生活が健全に営まれていなければなりません。

かつて成人病と呼ばれた糖尿病や高コレステロール血症その他成人に見られた症状が現在は低年齢化し、子供の中にも発症しているのです。そこで、数年前から成人病と呼ばず、生活習慣病と呼ぶようになりました。これらは多くの場合、食生活が起因しているのです。また適正な食生活が営まれていないために子供や青少年の心にもひずみが生じている現状が指摘されています。
そのような中で各種メディアからは食べものと健康に関係する情報が溢れんばかりに伝わってきます。食べることの基本的な姿勢ができていないところにこれらの情報を耳にして、それに振り回されてしまうという人が多いことも問題です。各種の食品を組み合わせてバランスよく食べることが先ず必要なのです。

望ましい食事のとり方

 

今年の7月に農林水産省および厚生労働省から「食事バランスガイド」が公表されました。ここでは「何を」「どれだけ」食べればよいか、という「食事」の基本を身につけるバイブルとして、望ましい食事のとり方やおおよその量がわかりやすくイラストで示されています。

しかし、このような知識が得られても実践しなければ健康には繋がりません。現在、多くの人が望んでいることの一つは簡単に美味しい料理を作りたいということです。その場合には加工食品が大変役立ちます。内容の優れた簡便に使える加工食品が各種市販されていますから、それらを上手に活用したいものです。

例えば、魚の水煮缶詰、野菜の水煮缶詰などを用いると簡単に一皿の料理が出来上がります。水煮ですから家庭の好みの味付けが自由にできますので、お勧めの食品です。またレトルト食品、冷凍食品なども種類が豊富ですので、それらを使いこなす調理技術を身に付けることも必要なことです。
優れた加工食品を上手に取り入れて生鮮食品と組み合わせ、手早く豊かな食卓づくりをする技術をもつことは健康づくりに繋がることです。時間が十分ある時にはすべて手作りでという日もほしいものですが、手早く食事の準備をする日とそのあたりは賢く組み合わせることです。
食品にはそれぞれに特有の成分が含まれ、美味しさがあります。ですから特定の食品に偏ることなく、多くの食品の特性をいかして美味しい料理を作り、楽しい食卓を囲むことが健康を保つ基本です。

文:女子栄養大学名誉教授 吉田企世子