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日本橋容器大学

第4回 缶詰の保存と素材缶詰の利用について

一般家庭の冷蔵庫の中には食品がどのように保管されているか調査をした結果によると、さまざまな状況が観察されています。きちんと整頓されている家庭もありますが、雑然と何もかも入れてしまうという家庭も多いのです。冷蔵庫を過信している様子が観察されます。中で大変目立ったのが、缶詰を冷蔵している家庭が比較的多いことです。果実缶やジュース缶などを冷やすために冷蔵庫に入れるのであれば理解できますが、野菜や魚、肉類の缶詰を冷蔵しているのです。缶詰は室温で長期保存できるのが便利なところなのです。

缶詰は次のような工程で製造されます。

缶詰を冷蔵している家庭が比較的多い

 

処理した食品を金属の容器に詰め、その後、容器の中の空気を除いて(脱気)、密封します。その後にレトルト殺菌(加熱殺菌)し、冷却して仕上がります。
従って室温で保存ができる食品なのです。しかし、缶を開けた後は保存性はありません。なるべく早めに利用することが必要です。また、開缶した食品が残った場合には、必ず缶から出して器に入れて冷蔵します。缶に入れたままで置くと、食品成分と空気中の酸素の作用で缶の金属が溶質する可能性もあります。
現在はレトルト食品や冷凍食品などの種類が豊富になり、缶詰食品を利用することが以前ほど頻繁ではなくなっているようですが、しかし、調理の素材性のある缶詰は大変便利です。すでに紹介した大豆の水煮缶や貝類の水煮缶の他、マッシュルーム、たけのこ、なめこ、魚の水煮類や油漬け類、各種ソース類など、いつでも手元にあると食事作りが気楽になります。

現在、大変問題になっていることのひとつに、子供の食事が乱れていることが指摘されています。そのために、心身ともに不健康な子供が増えているのです。いやな言葉ですが、キレる子供とういことで注目されています。このような子供は家庭での食事に問題があるとの調査結果も報告されています。つまり、家族と共に楽しい食卓を囲む時間を持っていないということです。子供の食事は母親とか家庭内の大人が用意しなければなりません。ところが、忙しいとの理由でまともな食事が子供に与えられていない状況が見られるようです。簡便に活用できる缶詰食品の存在は特に忙しい時の助け舟です。素材缶の活用で子供の好む味をつくりだすことができるのです。  優れた加工食品を適宜に取り入れて手早くおいしい食事を用意することで、子供をはじめ家族全員が健康で心も豊かに生活できるとよいですね。

文:女子栄養大学名誉教授 吉田企世子