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日本橋容器大学

第3回 大豆の水煮缶の栄養価について

前回に続いて大豆の水煮缶の栄養価について述べることにいたします。 大豆は「畑の肉」と言われるようにタンパク質が多く含まれています。そのタンパク質を構成しているアミノ酸の中では不可欠アミノ酸の一つであるリジンが多いのです。一般に植物性タンパク質はリジンが少ないのですが、大豆は例外です。またカルシウム、鉄などのミネラルやビタミンB1、B2その他のB群、Eなどのビタミン類、食物繊維などが多いのも特徴です。これらの成分は缶詰製造時の加熱によっても、ほとんど損失しません。高熱に比較的弱いビタミンB1について測定した結果は表1のようになっています。

表1 乾燥大豆を煮たときと素材缶大豆のビタミンB1、B2の比較
食品名 水分(g%) ビタミン B1 ビタミン B2
100g中(mg) 全固形分中(mg) 残存率(%) 100g中(mg) 全固形分中(mg) 残存率(%)
乾燥大豆、水浸後常圧で6時間煮たもの 69 0.07 0.22 100 0.06 0.19 100
水煮缶 71 0.05 0.17 77 0.05 0.17 89
乾燥大豆から作ったポークビーンズ(大豆のみ測定) 65 0.12 0.34 100 0.09 0.26 100
水煮缶から作ったポークビーンズ(大豆のみ測定) 69 0.07 0.23 68 0.05 0.16 64

大豆タンパク質のアミノ酸組成でリジンは多いのですが、含硫アミノ酸であるメチオニンが不足しているのが欠点なのです。そこで、メチオニンの多い肉か魚かあるいは卵などと大豆を組み合わせて摂取すると大豆タンパク質の栄養価は100になります。ですから、大豆水煮缶と肉とひじきの炊き合わせなどは優れた組み合わせなのです。

最近は男性も女性も便秘気味の人が多いのですが、大豆を始め豆類は食物繊維の含量が多いので意識して食事の中に取り入れ、積極的に食べるとよいのです。そのような場合に、缶詰食品は非常に便利です。

食物繊維の一日摂取目安は成人では20~25gとされていますが現在の日本人の平均摂取量は、17g程度でまだ不足しているのです。素材缶詰として便利な食品にアサリの水煮缶があります。アサリのない時期に活用するとよいでしょう。液汁の方に旨味や水溶性の成分が含まれますから、汁も一緒用います。

アサリご飯、クラムチャウダー(ハマグリの代わりに用いる)スープ類など色々な料理に活用できます。アサリの主成分はタンパク質ですが、ビタミンB2が多いのがアサリの特徴です。その含量は表2の通りです。

表2 生鮮あさりと素材缶あさりのビタミンB2の比較
食品名 水分(g%) ビタミンB2
100g中(mg) 全固形分中(mg) 残存率(%)
生鮮あさり 85 0.39 2.6 100
生のあさり熱湯で5~6分煮る 80 0.25 2.5 96
水煮缶、固形物のみ 75 0.27 1.1 42
缶汁とも 85 0.19    

文:女子栄養大学名誉教授 吉田企世子