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日本橋容器大学

容器の種類にどんなのがあるの?(その4)

前回の紙容器に続き、今回はガラス容器を解説したいと思います。

ガラス容器について

 ガラス容器は最も古くから酒類、ビール、ワイン、コーヒーなどの嗜好飲料用の容器として、また缶詰食品生みの親となる食品保存容器の元祖として使用されて来ました。現代でも、その高級感・美術感を生かし清酒・ワイン・ウイスキーなどの容器、また化学的安定性を生かし食品・医薬品・化粧品などの容器として広く愛用されています。

I ガラス容器の特性

(1)化学的安定性(酸アルカリなど耐薬品性)が最も優れている
(2)無味無臭で食品香味の保存性に優れている
(3)空気や水分を透さず耐通気性や耐湿性が強い
(4)透明性が高く、着色性もあり、かつ成形性が良く自由な形状の容器が成形出来る
(5)適度の耐熱性を持ち、原料のリサイクル性が良い

 
Ⅱ ガラス容器の問題点

(1)割れ易いこと(落下強度、耐衝撃性、急激な温度変化など外圧への弱耐性)
(2)破損・破裂時の危険性が大きいこと
(3)競合容器に比較して重く、搬送取り扱い時の人的・エネルギー的負担が大きい
(4)透明性が良く光線による内容物への変色酸化が促進される

 
Ⅲ 問題点解決への最新技術
(1)ガラス強化法による容器の耐破損・破裂性の向上

 成形直後のガラス容器表面に酸化錫SnO又は酸化チタンTiOを蒸着させるHot Coating法並びに成形後のガラス容器の表面に合成樹脂や表面活性剤を塗布するCold Coating法の利用

(2)薄肉・軽量化による容器重量の軽減化とコストダウン

 各種強化法の採用と製造設備成形金型並びに成形工程の改良などによる

Ⅳ ガラス容器の種類

 ガラス容器はその形状から、ジャムや佃煮、インスタントコーヒーなど食品包装容器として知られている広口ビンと酒類や飲料用に利用されている細口ビンに大別されます。またその色調から無色な透明ビンとビールやワイン・ウイスキーなどに利用されている着色ビンがあります。
 また、ガラスびんはその用途から

(1)ワン・ウェイボトル(炭酸・果汁飲料など使い捨ての容器)と
(2)リターナブルボトル(清酒・ビールなどリサイクル使用の容器)

 

に大別されます。その使用量は90:10の比率で、現在ではワンウェイボトルの用途が拡大しています。

Ⅴ クロージャーの種類

 ガラスなどボトル容器では構造上、密封用の蓋(クロージャー)が不可欠の要素となります。 種類としては、その形状・機能面から(1)王冠 (2)スクリューキャップ (3)ラグキャップ (4)ティアーオフキャップ (5)悪戯防止用のピルファープルーフキャップ (6)冠頭(かぶせ蓋) などがあります。 また、これら各種形状のキャップの素材には金属、プラスチック、紙などが利用されています。
 なお、キャップの内面にはびん口との密着性を高める為に、ラバーや発泡性樹脂性シーリング材が塗布されています。

Ⅵ ガラスびんの成形方法

 ここでは自動製びん機でのガラスびんの成形方法について述べる。
 成形工程は、製品の概略形状(パリソン)を造るブランクサイドと最終製品形状を造るブローサイドに大別される。成形機にはこのパリソンと最終形状を造るための金型が取り付けられ、金型は成形機に組み込まれたメカニズムによって上下・開閉等の作動が行われる。成形機の各メカニズムの作動と、パリソン並びに最終製品形状にガラスを変形させるために、2~4kg/cm2の圧縮エアーが使用される。口部が細い(細口)か広い(広口)かによって、ブランクサイドでのパリソンの成形方法が異なる。次に細口・広口各々のパリソンの成形方法について述べる。

ブロー&ブロー
 細口びんを造る場合に用いられる成形方法で、パリソンはガラスにエアーを吹き込むことによって造られる。
(第1図参照)

プレス&ブロー
 広口びんを造る場合に用いられる成形方法で、パリソンはプランジャーと呼ばれる金型でガラスをプレスすることによって造られる。(第2図参照)

 

 ガラスびんの最終形状は、ブロー&ブローもプレス&ブローも、ブランクサイドで造られたパリソンをブローサイドに移動した後、パリソンにエアーを吹き込むことによって成形される。
 成形工程でのポイントは、一定の成形時間の中で、成形機に供給されたゴブ⇒パリソン⇒最終製品形状に至るガラスの温度に如何にコントロールするかに有る。通常ゴブの温度は1100℃~1150℃、成形されたパリソンの温度は650℃~750℃、成形直後の最終製品の温度は450℃~550℃程度であり、数秒~十数秒の成形時間の中で、こうした温度変化を安定してコントロールすることが要求される。この温度コントロールが早くできればできるほど成形時間が短縮され、生産性のアップと品質の安定化を図ることができる。

【第1図】主な液体用紙容器の形状

① ファンネルでガイドして粗型にゴブを入れる。
② パッフルからエアーを吹込みプランジャーと口型にゴブを押し付けて口部を成形する。
③ 粗型にパッフルを載せ、プランジャーを下降してびんの口部からエアーを吹込み粗型形状に沿った形(パリソン)を成形する。
④ 粗型を開いて口型でパリソンを保持して仕上型に移動する。
⑤ 仕上型にパリソンを移動後、口型はブランクサイドに戻る。
⑥ 仕上型の天面にブローヘッドを下げてパリソンの口部からエアーを吹込み製品の形状に成形する。
⑦ 仕上型を開いてテークアウトトングで製品を取り出す。

  【第1図】主な液体用紙容器の形状

① ファンネルでガイドして粗型にゴブを入れる。
②・③ 粗型にパッフルを載せ、プランジャーを押し上げて口部と同時に粗型形状に沿った形(パリソン)を成形する。
④ 粗型を開いて口型でパリソンを保持して仕上げ型に移動する。
⑤ 仕上型にパリソンを移動後、口型はブランクサイドに戻る。
⑥ 仕上型の天面にブローヘッドを下げてパリソンの口部からエアーを吹込み製品の形状に成形する。その後仕上型を開いてテークアウトトングで製品を取り出す。

 

画像提供:缶詰技術研究会
文: 元大和製罐株式会社総合研究所長 長澤善雄