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日本橋容器大学

容器の種類にどんなのがあるの?(その3)

前回のプラスチック容器に続き、今回は紙容器を解説したいと思います。

紙容器について

古代エジプトのパピルスに始まる、紙は古くから私達の生活にとって無くてはならないほど密接な関係にある資材で、その使用量は文明社会の発展度を示すバロメーターとも言われています。今日、紙が商品の包装資材として広く利用されていることは幼児にいたるまで周知のことですが、固体や液体食品の個装容器として、紙容器が使用され始めたのは最近のことです。昭和40年後半、従来シェア100パーセントのガラスびん入り牛乳業界への紙容器(三角錐型のテトラパック)の参入に始まり、各種紙容器が開発され、昭和53年頃から液体食品用の容器として急激に伸展し今日なお、今後が注目される容器としての地位を築いています。

I 紙容器の特性と問題点

紙は有限な化石資源ではなく太陽と水の存在で、温暖化原因の二酸化炭素を吸収する樹木を原料とする再生産可能な持続的エコ資源として将来が注目されていますが、食品包装容器としては次のような特徴と問題点を抱えています。

(1)他の包材に比較して安価で、持続的エコ資源である。
(2)印刷適性が良く、加工しやすい。
(3)軽くて保管・搬送など取り扱い性がよい。
(4)クッション性など物理的保護性能がある。
(5)古紙の利用50パーセント以上と回収リサイクル性が高い。
(6)柔らかくて、つぶし易く減容化し易く廃棄焼却処理が容易。

 

などの特徴があります。

しかし、外装・内装などへの利用でなく、直接食品を包装する個装容器への適用時には以下の諸題を解決しなければなりません。

(1)耐水性が無い。
(2)防湿性が弱い。
(3)ガスバリヤー性が弱い。
(4)耐熱性特に耐湿熱性が弱い。
(5)防虫性が弱い。
(6)耐圧耐衝撃性が弱い。

 

これら問題点解決のためには、プラスチック・フィルムや金属箔などとの積層材の形成や塗工(コーテイング)など他の包装資材との協力を仰がねばなりません。各種合成樹脂フィルムの開発やラミネート加工技術の開発・進歩なくして、食品包装容器業界への今日の紙容器の伸展はなかったと言えましょう。

II 紙容器の種類

段ボールや化粧箱、飲料缶用マルチパックケースなど内装・外装包装を除く、食品個装包装用紙容器の種類は、その構造・用途から以下の様に大別されます。

(1)紙容器(Carton)

キャラメル・チョコレートなど菓子類や固形粉末スープやレトルト食品などサック式紙箱や、外食産業で見られるチキン・ハンバーグ用の組み立て式紙箱など。

2)複合紙容器(Laminated Carton)

1)円筒容器(Composite Can):ポテト・チップ、粉末チーズ、調味料入りのスパイラルタイプの容器、
  ならびにココア、コーヒー、調味食塩、冷凍果汁入りコンボリュートタイプの容器。

2)カップ容器(Paper Cup):納豆、ゼリー、ヨーグルト、ラーメン入りのサイドシールタイプの紙カップ
  ならびに酒類、豆乳、味噌汁、果汁入りのプラスチックカップ挿入タイプの紙容器。

3)液体用カートン容器(Liquid Carton):紙容器の中で現在最も多く使用されているもので、その構造
  から以下の4種類があります。

1.屋根型カートン(Gable Top Type):牛乳、酒類用
2.煉瓦型カートン(Brick Type):果汁、コーヒー
3.三角錐型カートン(Tetra Pack):果汁、コーヒー(積み重ね展開機能がなく現在使用されてない)
4.バッグインボックス(Bag in Box):段ボールと内装フィルムとの組み合わせ容器で業務用の果汁類や調味料など大容量用容器

 

第1図に1~3の実際の形状を示します。

【第1図】主な液体用紙容器の形状
複合紙容器の材料構成

紙容器素材の問題点を解決し、内容食品を保護し密封保蔵するためには他の包材との積層が不可欠で、その種類は包装食品の品質要求の程度により違ってきます。代表的な液体用紙容器の素材の積層構成を表示しておきますので参照下さい。
通常のポリエチレン/紙/ポリエチレンからなる3層タイプとポリエチレン/アルミ箔/ポリエチレン/紙/ポリエチレンからなる5層タイプを示します。

ポリエチレン/紙/ポリエチレンからなる3層タイプ ポリエチレン/アルミ箔/ポリエチレン/紙/ポリエチレンからなる5層タイプ

 

紙の端面保護加工

アルコール飲料などの浸透性の高い液体や長期保存が必要な場合、内容物の浸透を防止する策を講じなければなりません。そのため、以下の方法に代表される浸透防止加工が施されています。(第2図参照)

【第2図】紙の端面保護加工

写真・画像提供:缶詰技術研究会
文: 元大和製罐株式会社総合研究所長 長澤善雄