知る・楽しむ Special

 

日本橋容器大学

包装容器が果たしている役割って?(その2)

現代社会における包装の責務
豊かな食生活を支える包装

今まで見てきたとおり、人類の歴史と共に進化してきた包装容器ですが、現在でもそれは変わることなく進化を続けています。
核家族化、個食化、女性の社会進出、余暇の利用、アウトドアでの飲食機会の増加などライフスタイルの変化に対応して各種の包装食品が開発されています。そしてコンビニやスーパー、宅急便などで、国内外の食品が何時も容易に入手できる現在の豊かな食生活は、正に包装食品により支えられているとも言えます。

また、包装は多くの農水産物資源の有効活用とロスの低減に貢献しています。
魚介類、畜肉はもちろん、野菜果実など生鮮食品の変敗を防ぐと共に調理加工して有用な部分のみを包装することにより、都市での生ごみや屑ごみの発生量の減少や、輸送効率の向上並びに流通エネルギーや貯蔵保管スペースの節減が図られるなど、包装は大都市の豊かな台所を支える上で特に重要な役割を果たしています。
もしも、包装技術の開発が皆無だったならば、たちまち大都市での食糧不足を招き、生存可能な地球人口の大幅な削減は避けられないものと推測されます。


缶詰や包装食品が、 豊かな台所を支えています

 

包装の信頼性

包装食品が量質ともに発展した理由は、1)食品加工技術と包装技術の進歩と協力により包装食品の品質並びに価値が飛躍的に高められた事、2)包装することで、保存性が高く安全で安心して必要な時に何時でも買えて、運搬・貯蔵が容易で、使い易いなど食品の品質と価値が保証された“新しい商品”として消費者から認められた事です。

特に対人販売からセルフサービス選択自由の買手市場へと販売ルートが変化した時代に、“品質保証”イコール“信頼の出来る食品”と認知されたことは重要です。“信頼性”と言う新たなブランドを持つ商品にまで食品の地位を高め築き上げた関係業界の弛まない努力の存在を忘れてはなりません。

昨今巷で包装食品の信頼性を損なうような事件が散見されますが、これは正に包装の本質・意義を理解してない技術者の所業で、営々と築き上げられた包装食品全般の信頼性への冒涜であり自殺行為と言えましょう!

蛇足ですが、包装技術の一端を担う容器メーカーの責務として、三十年以上前から、容器の品質保証の為、推計学的品質管理の導入はもちろん、包装食品個々の品質保証の必要性から品質検査装置による容器の全数検査システムの確立や製品のロット管理やトレーサビリテイーシステムの確立に努めて来たことは、包装食品の信頼性確立への一翼を担う者としてその先見性と努力について、いささか自負出来る所であります。

適性包装で省資源・省エネ化

包装の果たす多くの功績により、包装食品は今日の隆盛を遂げてきましたが、ここまで発展すると、生産に使われる包装資材量も廃棄される包材の量も増大し、環境保全や資源の有効活用の立場から無視出来ない時代になってきました。
そこで、包装容器の設計に当たっては従来にもまして、環境負荷の減少、省資源、省エネ、廃棄処理し易く且つ包装の基本性能を十分に満たすような、合理的で適性な包装容器の開発に今後弛まぬ努力が必要となるのです。

適性包装で省資源・省エネ化

 

文: 元大和製罐株式会社総合研究所長 長澤善雄