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柔軟なガスバリアフィルムの開発に成功 ~ ラクレイン・産総研と共同開発 ~
更新日:2011年10月12日

 

 

 

 大和製罐株式会社(本社:東京都中央区、社長:山口 久一 以下大和製罐)は、独立行政法人産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区及び茨城県つくば市、理事長:野間口 有 以下産総研)と共同で、柔軟性の高い酸素ガスバリアフィルム(製品名:ラクレイン)の開発に成功しました。

 


 大和製罐は従来の金属容器に加え、プラスチックを主体とする軟容器の開発を行っており、チューブを始め多彩な軟容器の製造販売を行っています。大和製罐は、産総研が開発した粘土膜「クレースト(※1)」をプラスチックフィルムへコーティングする共同研究を開始しました。
 ※1:厚さ約1ナノメートルの粘土結晶を緻密に積層した柔軟で耐熱性に優れた材料。
 参考URL:http://unit.aist.go.jp/ccs/clayteam/img/121130/claist.pdf

 産総研は研究職員約2,300人、事務職員約700名を擁する日本における最大規模の産業技術に関する公的研究機関です。環境・エネルギー、ライフサイエンス、情報通信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・製造、標準・計測、地質の6つの研究分野において、我が国の産業技術力に資する広範な先端的研究や計量の標準、地質の調査などの知的基盤の整備に係る研究を行っています。

 今回の開発は、食品や医薬品等の包装材料、日用品や工業用品に使用されるプラスチックフィルム・シート・容器に関したもので、特に高い透明性と高い酸素ガスバリア性を要求される分野で利用することができます。

 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、粘土結晶と水溶性プラスチックの混合ペーストを薄く塗布することで高い酸素ガスバリア性を発現することに成功し、さらに印刷技術等を用いて高速に塗布する技術を確立しました。また得られたフィルム上にポリプロピレンなどのシーラント(張り合わせる材料)をラミネートすることにより、袋状にも加工することが可能です。(図1参照)

 開発したフィルムは、従来のシリカやアルミナなどの無機層を薄く蒸着したフィルム(以下蒸着フィルム)が、折り曲げやくしゃくしゃにする等の厳しい取り扱いで酸素ガスバリア性が劣化するという欠点を改善したものです。約1ナノメートルの厚みの粘土結晶を配向させ、間に水溶性プラスチックを挟みながら高度に積層することにより、柔軟でありながら高いガスバリア性や透明性を持つことが可能となりました。(表1参照)

表1 ゲルボフレックス試験後の酸素透過度
屈曲回数 酸素透過度(㏄/㎡・day・atm)
当社品
(ラクレイン)
他社品
(蒸着品)
0回 0.12 0.51
10回 0.53 4.3
100回 1.8 12
酸素透過度の数値が小さいほど、バリア性は良い。
※:ゲルボフレックス試験とは、主に包装用フィルムの評価法の一つでありフィルムに繰返し屈曲を加えるもの。

 


 また従来の蒸着フィルムは、一旦蒸着層が破壊されてしまうとガスバリア性が劣化しそれが回復することはないが、開発したフィルムは大気中の湿気を吸うことで粘土層が膨潤し破壊された傷が自己修復します。(図2参照)

図2 傷をつけたガスバリア層の自己修復過程の光学顕微鏡写真(縦0.50㎜、横0.62㎜)

 大和製罐は消費者のニーズの変化に対応させつつ、環境負荷を継続的に軽減させる金属容器、プラスチック容器を開発していかなければならないと考えており、付加価値の高い、より高品質の商品を提供していきます。なお今回の開発の経緯については、産総研よりプレスリリースされました(下記バナー)。また、開発したフィルムは、製品名「ラクレイン」(商標出願中)として半年以内の製品化を目指しています。さらに水蒸気バリア性の向上にも取り組み、幅広い用途で使用可能なフィルムを開発中です。

 大和製罐は今後も金属容器とともにプラスチック容器の開発を行い、お客様の要望に応え、且つ地球環境に配慮した容器を開発提供してまいります。

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※こちらもご覧ください。
ニュース > 新しいメカニズムの防曇塗料の開発に成功

 

産総研よりのプレスリリース PDF (576KB)


 

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